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2016年11月18日 NEW

【コラム】生野菜と温野菜はどちらがいいのか?

自然の恵み

栄養素は、加熱によって変化します。

今は価格が高い野菜が多いので、せっかく買った野菜の栄養素はなるべく無駄にしたくないものです。

私たち管理栄養士が栄養価計算に使用する「食品成分表」には、様々な調理法や食べ方による栄養成分が記載されています。例えばじゃがいもだけでも生、蒸し、水煮、フライドポテト、乾燥マッシュポテトと6種類もあるのです!

今回は10/26のコラム「保存方法とビタミンCの関係」でも紹介しましたビタミンCについて、加熱による変化をくらべてみたいと思います。

ブロッコリーにはビタミンCが豊富

野菜の加熱によるビタミンCの変化

栄養素には、調理方法によって減りやすい栄養素とそうでない栄養素があり、ビタミンCは、水溶性ビタミンといって、水に溶けやすく熱や加熱に弱い栄養成分です。
ビタミンCを多く含む野菜について、生野菜と加熱野菜での成分値を比べてみました。

・ブロッコリー (生) 120mg  (ゆで) 54mg

・キャベツ   (生)41mg   (ゆで) 17mg

・じゃがいも  (生) 35mg  (水煮) 21mg 

・だいこん   (生) 11mg  (ゆで) 9mg

・ほうれんそう (生) 35mg  (ゆで) 19mg
※すべて100gあたり
文部科学省「日本食品標準成分表(七訂) 」食品成分表より

また、ゆで時間によっても減り具合が違います。
以下はほうれん草のゆで時間によるビタミンC残存率です。

生を100パーセントとすると…
・1分 74%
・2分 61%
・3分 48%
・5分 40%

※女子栄養大学出版部「調理のためのベーシックデータ」より


ただ、茹でることによって量が減り、生よりも沢山食べることができるものもあるので、一概に生野菜の方が良いというわけではありません。
生より加熱をした方が消化されやすいので、体調が悪いときなどは加熱した方が良いでしょう。
生では食べられない野菜もありますし、これからの寒い季節は生野菜ばかり食べたくないですしね…。
冬は味噌汁やスープ、鍋に入れて、汁ごと食べるのもおすすめです!

冬に食べたい!クリームシチュー



実際の食事では、ただ茹でるだけではなく、炒めたりドレッシングをかけたり…他の調理法や味付けによっても栄養価は変わってきます。
同じ生野菜でもどの程度洗うかということや、水にさらすかどうかによっても違ってきます。

栄養価計算センターでは、このような調理法や食べ方による様々な変化も踏まえた、できる限り正確な栄養価計算を心がけています!
お気軽にお問い合わせ下さい。