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2016年12月13日 NEW

【コラム】栄養価計算に欠かせない数字「廃棄率」

なるべく減らしたい、生ごみ!

「可食部」と「廃棄率」

栄養価計算になくてはならない「食品成分表」ですが、そこには全ての食品の、「可食部100gあたり」の栄養成分値が記載されています。

「可食部」とは、簡単に言うと食品の「食べられる部分」。または「正味重量」という方が聞きなじみがあるかもしれません。その「可食部」を知るために必要なのが、同じく成分表に記載されている「廃棄率」という数字です。

成分表には以下のように書かれています。

「原則として、通常の食習慣において廃棄される部分を食品全体あるいは購入形態に対する重量の割合(%)で示し、廃棄部位を備考欄に記載した。可食部は、食品全体あるいは購入形態から廃棄部位をのぞいたものである」

野菜でも果物でも、どこも捨てることなく食べられる食品は、なかなかないと思います。
廃棄率は、より正確な栄養価計算のためには必要不可欠な数字なのです。

バナナの食べられる部分は60パーセント!

どんな時に廃棄率を使うのか?

具体的に、栄養価計算の時にどのように役立つかというと。
例えば、バナナ一本は何キロカロリーなのか知りたい!という場合。
まず、食品成分表には以下のことが記載されています。

★バナナ 生 (可食部100gあたり) エネルギー 86 kal
★廃棄率 40%
★備考:果皮および果柄

バナナ丸ごと一本が150gだとします。
まず、バナナを皮ごと食べる人はいないと思います。
備考欄には、果皮および果柄(バナナの房の根元の部分)とありますので、普通に皮を剥いたバナナ100gのエネルギーが、86kal ということになります。

知りたいのは一本食べた場合なので、1本あたり実際食べられる部分「可食部」が何gなのかを算出しなくてはいけません。
廃棄率は40パーセントなので、

★150(g)×0.6=90(g) が可食部となるわけです。

一本食べたときのエネルギーはというと・・・

★86kcal ×90(g)/100(g)=77.4kcal

となります。

サザエの食べられる部分は25パーセント…

廃棄率を知っているとトク?

漢字で表すと難しく聞こえますが、わかりやすく言うと「これ、あんまり食べるところない!」という食品では廃棄率は高くなり、「全部食べられる」食品が廃棄率の低い食品です。
【廃棄率が高い食品の廃棄率】   (廃棄部位)
★ブロッコリー 花序、生  50%(茎)
★パインアップル 生    45%(はく皮及び果しん部)
★手羽先   生      40%(骨)
★ずわいがに ゆで     55%(殻、内臓等)
★さざえ   焼き     75%(貝殻)

特に皮や鞘、種のある野菜や果物、骨付きの魚や肉では高くなり、加工品や、魚や肉の切り身は低くなります。想像にもつきやすいですが、実際数字で表されると面白いですね。

廃棄率の少ない食品は「無駄の少ない食品」ともいえます。
また、廃棄率を知っておくことによって、正味重量から用意する量が推測でき、料理の無駄や失敗を防ぐことにもつながります!